コラム
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狂犬病ワクチン、なぜ毎年必要?|飼い主様が知っておきたい義務と接種の流れ
2026.04.03犬
毎年届く犬の狂犬病予防接種の案内を見て、「忙しくてつい後回しにしてしまう」「決められた時期に行くのが大変」と感じたことはありませんか。仕事やご家庭の予定に追われるなかで、接種のタイミングに悩まれる飼い主様も少なくありません。
しかし、狂犬病予防接種の登録は、狂犬病予防法で定められた大切な義務です。とはいえ、「春の限られた期間に行かなければならない」という印象が強いと、負担に感じてしまうのも無理はありません。
そこで知っていただきたいのが、これまで接種期間を4〜6月の3か月間としていた現行の規則が見直され、狂犬病ワクチンは通年で接種できるようになったという点です。これにより、飼い主様の生活スタイルや犬の体調に合わせて、より無理のないタイミングで接種を検討しやすくなっています。
また、一部の動物病院では、狂犬病予防接種とあわせて犬の登録手続きや注射済票の交付まで対応しており、来院時に接種から手続きまでをまとめて済ませられる場合もあります。
そこで今回は、犬の狂犬病とはどのような病気なのか、なぜ毎年の狂犬病予防接種と登録が必要なのか、そして犬病予防接種の新制度などについて、ご紹介します。

■目次
1.狂犬病とは?
2.犬の狂犬病予防接種と登録は“法律で決まった義務”
3.万が一のときに困らないために|登録・接種証明の大切さ
4.2025年から変わりました!|当院で登録・済票まで完結
5.予防接種は健康チェックの機会
6.まとめ
狂犬病とは?
狂犬病はウイルスによって起こる感染症で、犬だけでなく人にも感染します。効果的な治療法はなく、発症すると命に関わる重大な疾患として知られています。そのため、何よりも大切なのは発症してからの対応ではなく、事前の予防です。
日本国内では、人は昭和31年(1956年)を最後に発生がありません。また、動物では昭和32年(1957年)の猫での発生を最後に発生がありません。しかしそれは偶然ではなく、犬の登録制度と年1回の狂犬病予防接種が全国で継続されてきた結果、現在の安全な環境が保たれています。
狂犬病は注意すべき感染症ですが、予防接種によって防ぐことができます。そのため、愛犬の健康と周囲の安全を守るためにも、毎年の予防接種を忘れずに受けさせてあげることが大切です。
犬の狂犬病予防接種と登録は“法律で決まった義務”
犬の飼い主様には、犬の登録と年1回の狂犬病予防接種が義務づけられています。これは狂犬病予防法という法律に基づく決まりです。
特に地方では、「登録が必要だと知らなかった」「昔から飼っているから手続きは済んでいると思っていた」という声を耳にすることがあります。しかし、飼い始めたときには登録が必要であり、さらに毎年1回の狂犬病予防接種を受けさせる義務があります。
「室内で飼っているから大丈夫」「周囲に人が少ない地域だから問題ない」というわけではありません。飼育環境に関係なく、すべての犬が対象です。
なお、この制度は単なる形式的な手続きではありません。万が一の感染拡大を防いだり、犬の所在を明確にしたりする役割があります。つまり、義務であると同時に、愛犬と地域社会を守るための仕組みでもあります。
万が一のときに困らないために|登録・接種証明の大切さ
普段は穏やかに過ごしていても、予期せぬ出来事が起こる可能性はゼロではありません。もし愛犬が人を噛んでしまったり、他の犬とトラブルになってしまったりした場合、登録や狂犬病予防接種の証明が必要になることがあります。
登録がされていなかったり、狂犬病予防接種を受けていなかったりすると、状況の説明が難しくなり、行政の指導や対応が厳しくなる場合があります。また、飼い主様の精神的な負担も大きくなりかねません。
一方で、鑑札や注射済票がきちんと交付されていれば、必要な情報を速やかに提示できます。鑑札や済票は、いわば犬の身分証明のような役割を果たします。何も起きないことが一番ですが、万が一に備えて整えておく姿勢が、結果として飼い主様と愛犬を守ることにつながります。
愛犬が他の犬に噛まれたときの対処法についてより詳しく知りたい方はこちら
2025年から変わりました!|当院で登録・済票まで完結
これまでの流れでは、動物病院で狂犬病予防接種を受けたあと、飼い主様ご自身が市役所へ行き、登録や注射済票の交付手続きを行う必要がありました。時間を確保するのが難しく、つい後回しになってしまうケースも見受けられました。
しかし2025年からは、当院で狂犬病予防接種と同時に犬の登録手続き、さらに注射済票の交付まで行えるようになりました。そのため、鑑札や骨型のプレート状の済票をその場でお渡しできます。
※登録、更新の手続きが可能なのは「住所が岡山市の方のみ」となりますのでご注意ください
※岡山市以外の方は注射の対応は可能ですが登録・更新手続きはご自身で行っていただく必要があります。
つまり、来院していただければ、接種から登録まで一度で完了します。役所へ改めて出向く必要がないため、手続きの負担が大きく軽減されます。この仕組みによって、登録漏れや未接種の防止にもつながります。忙しい飼い主様にとって、通院の機会を有効に活用できる点は大きなメリットです。
予防接種は健康チェックの機会
狂犬病予防接種の来院は、単に注射を打つだけではありません。体重の変化や食欲の様子、最近気になっている行動などを確認したり、皮膚や耳の状態を診察したりする大切な機会です。
なお、当院ではインフォームドコンセントを重視し、飼い主様と丁寧にお話をしながら進めています。体調や既往歴を確認し、その子に適した治療法やラフスタイルなどを一緒に考えます。また、予防に力を入れることで、大きな病気を未然に防いだり、異変を早期に見つけたりすることができます。
はじめて動物病院を受診される方も、他院で治療中だが別の意見も聞いてみたいとお考えの方も、どうぞ遠慮なくご相談ください。小さな疑問や不安をそのままにせず、気軽に話せる存在でありたいと考えています。
まとめ
犬の狂犬病予防接種と登録は、法律で定められた大切な義務です。そしてその目的は、単に決まりを守るためではなく、愛犬と社会の安全を守るためにあります。
また、狂犬病ワクチンは通年で接種できるようになり、飼い主様の生活スタイルや犬の体調に合わせて、無理のないタイミングで接種を検討しやすくなりました。さらに、一部の動物病院では、狂犬病予防接種とあわせて犬の登録手続きや注射済票の交付に対応している場合もあり、来院時に手続きをまとめて行えることがあります。
狂犬病予防接種や犬の登録について不安や疑問がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。当院では、接種から登録代行まで責任をもって対応し、飼い主様と犬が安心して暮らせるようサポートしています。
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この記事を書いた人
- 永原動物病院 院長
- 永原 未悠(ながはら みゆ)
飼い主様へのインフォームドコンセントや、信頼関係を大切にしています。大事な予防も含め、疾患(病気)への治療や方針について話し合い、飼い主様と一緒に進めてまいりたいと思います。