犬や猫の白目や皮膚が黄色いときは要注意|犬と猫の黄疸の原因と予防

2026.07.07犬・猫

「愛犬の愛猫の白目が黄色い気がする」「歯ぐきや皮膚が黄色っぽい」といった変化が見られた際、不安になる飼い主様も多いのではないでしょうか。

犬や猫の目や歯茎などが黄色く見える症状は「黄疸(おうだん)」と呼ばれ、体の中で何らかの異常が起きているサインである場合があります。

黄疸の原因となる病気には、早期に治療すれば改善が期待できるものもあれば、気づいたときには重い状態になっていることが多い病気もあります。そのため、このような変化に気づいたときは、様子を見すぎず、動物病院で相談することが大切です。

今回は、犬と猫の黄疸の見分け方や原因となる病気、予防の考え方などについて解説します。

■目次
1.犬や猫の黄疸とは?体が黄色く見える理由
2.黄疸を引き起こす主な病気
3.感染症が原因で起こる黄疸(マダニ・レプトスピラ)
4.黄疸の進行スピードは病気によって異なる
5.予防できる病気もある|マダニ予防とワクチンの重要性
6.まとめ

犬や猫の黄疸とは?体が黄色く見える理由

まず、黄疸とは血液中の「ビリルビン」という色素が増えることで、体の一部が黄色く見える状態です。

犬や猫では、以下のような場所で変化に気づく場合があります。

・白目(結膜)
・歯ぐき
・耳の内側
・皮膚

これらの部位が黄色く見える場合、肝臓や胆のう、血液に関係する病気が隠れている可能性があります。

また、見た目の変化だけでなく、尿の色が濃くなったり、元気が低下したり、食欲が落ちたりする様子がみられることもあります。

このように、体調の変化はさまざまな形で現れるため、日常のスキンシップの中で体の色を確認したり、普段との違いに気づいたりすることが、早期発見につながります。

黄疸を引き起こす主な病気

前述したように、黄疸はさまざまな病気によって表れます。原因は大きく「肝臓」「胆道」「血液」に関係するものに分けられます。

例えば、以下のような病気が挙げられます。

◆肝炎

肝臓に炎症が起こり、ビリルビンの処理がうまくいかなくなることで体内に蓄積し、黄疸が表れます。

◆膵炎

膵臓の炎症が周囲に影響し、胆管を圧迫したり詰まらせたりすることで、胆汁の流れが妨げられ、黄疸につながることがあります。

◆胆のう・胆管のトラブル

胆汁の通り道が詰まることで、黄疸が起こる場合があります。

◆溶血性疾患

赤血球が壊れることでビリルビンが増加し、黄疸が見られることがあります。

このように、見た目が同じ「黄色い」という症状でも原因は異なり、進行の速さや治療の方法も大きく変わります。そのため、早めに検査を行い、原因を見極めることが重要です。

感染症が原因で起こる黄疸(マダニ・レプトスピラ)

一方で、感染症が原因となって黄疸が表れる場合もあります。

例えば、以下のような感染症が挙げられます。

<バベシア症(マダニが媒介)>

赤血球が破壊されることで溶血性貧血が起こり、黄疸が見られることがあります。散歩中や草むらでの活動を通して、気づかないうちに感染する可能性もあります。

<レプトスピラ感染症>

肝臓や腎臓に障害を与え、黄疸のほか、腎不全や肝不全につながることがあります。

なお、レプトスピラ感染症は人にも感染する可能性がある人獣共通感染症として知られています。そのため、愛犬だけでなく、ご家族の健康を守るためにも、日頃からの予防を心がけることが大切です。

黄疸の進行スピードは病気によって異なる

ここで大切なのが、黄疸を引き起こす病気の進行スピードはケースによって異なるという点です。

例えば、以下のような違いがみられます。

<膵炎や胆道のトラブル>

比較的早い段階で治療を開始することで、改善が期待できるケースがあります。早めに気づき、適切な治療につなげることが大切です。

<重度の肝臓疾患や感染症>

症状が表れた時点である程度進行している場合もあり、来院時には重篤な状態となっているケースもみられます。

このように、同じ黄疸でも背景となる病気によって状況は異なります。また「黄疸=すぐに手遅れ」というわけではありませんが、「もう少し様子を見よう」と判断してしまうと、治療のタイミングを逃してしまう可能性もあります。

そのため、少しでも違和感を覚えた際は、早めに相談することが大切です。結果的に大きな異常がなかったとしても、現在の状態を確認できることは安心につながります。

予防できる病気もある|マダニ予防とワクチンの重要性

黄疸の原因となる病気の中には、日頃の予防によってリスクを下げられるものもあります。

例えば、以下のような対策が挙げられます。

<マダニ予防>

予防薬を使用することで、バベシア症などのマダニ媒介感染症のリスクを下げることが期待できます。外出の機会がある犬では、継続的に対策を行うことが大切です。

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犬や猫のノミ・マダニ・フィラリア予防についてより詳しく知りたい方はこちら

<ワクチン接種>

犬ではレプトスピラを含む混合ワクチンを接種することで、感染リスクの軽減が期待できます。地域や生活環境に合わせて、適切なワクチンを選ぶことが重要です。

犬と猫のワクチン接種の重要性についてより詳しく知りたい方はこちら

<日常の健康チェック>

定期的に健康診断を受けることで、異常の早期発見につながります。

なお、当院では、予防医療や健康診断を通じて、犬や猫の体調の変化にいち早く気づける関係づくりを大切にしています。飼い主様としっかりお話を重ねながら、その子に合った予防や健康管理の方法をご提案しています。

まとめ

犬や猫の体が黄色く見える黄疸は、肝炎や膵炎、感染症などさまざまな病気によって表れる可能性があります。

病気によって進行の速さや重症度は異なるため、気づいた時点で動物病院に相談することが大切です。また、マダニ予防やワクチン接種、健康診断などの取り組みは、犬や猫の健康を守るうえで欠かせません。

なお、当院では飼い主様との信頼関係を大切にしながら、犬や猫の状態や今後の治療方針について丁寧にご説明し、安心して治療を進められるようサポートしています。少しでも気になる変化がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

岡山県岡山市を中心に地域のホームドクターとして診療を行う
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この記事を書いた人
永原 未悠(ながはら みゆ)
  • 永原動物病院 院長
  • 永原 未悠(ながはら みゆ)

飼い主様へのインフォームドコンセントや、信頼関係を大切にしています。大事な予防も含め、疾患(病気)への治療や方針について話し合い、飼い主様と一緒に進めてまいりたいと思います。

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