猫がトイレを使わない理由とその対策|獣医師が教えるしつけのコツ

2025.06.23

猫のトイレ問題で悩んだことはありませんか?せっかく設置したトイレを使ってくれなかったり、決められた場所以外で排泄してしまったりすると、飼い主様にとって大きなストレスになりますよね。それだけでなく、猫自身も不安を感じたり、健康上の問題を抱えたりしている可能性があるため、決して軽視できない問題です。しかし、適切な環境づくりやしつけによって、多くの場合このトイレトラブルは解決できます。

今回は、猫のトイレに関する一般的な悩みとその原因、解決方法、そして理想的な環境づくりについて詳しく解説します。
飼い主様がすぐに実践できるアドバイスをお届けしますので、ぜひ参考にしてください。

■目次
1.猫のトイレトラブルとは?〜よくある悩みとその原因〜
2.理想的な猫のトイレ環境の整え方
3.猫砂選びのポイント〜種類別の特徴と選び方〜
4.トイレのしつけ方と失敗時の対応法
5.トイレの問題と健康トラブルの関係
6.まとめ〜愛猫との快適な生活のために〜

猫のトイレトラブルとは?〜よくある悩みとその原因〜

猫がトイレを使わない、またはトイレのすぐそばで排泄してしまうといった問題には、いくつかの原因が考えられます。大きく分けると、物理的要因や心理的要因、健康上の要因の3つが挙げられます。

<物理的要因>

猫は非常に繊細な動物であり、トイレ環境が少しでも気に入らないと、使用を避けることがあります。例えば、トイレが汚れていたり、サイズが小さすぎたり、砂の種類が合わなかったりすると、排泄を我慢したり、別の場所でしてしまったりすることがあります。

また、設置場所も重要です。人の出入りが多い場所や、騒音の多い場所では落ち着いて排泄できないことがあります。さらに、トイレの数が少ないと、特に多頭飼いの場合に猫同士の縄張り争いが生じ、特定の猫がトイレを使えなくなってしまうこともあります。

<心理的要因>

環境の変化は猫にとって大きなストレスになります。引っ越しや家具の配置変更、新しい家族や動物が増えるなど、些細な変化が猫のトイレ習慣に影響を与えることがあります。

また、他の猫との関係も重要です。特に複数飼育の場合、一部の猫がトイレを独占したり、威嚇したりすることで、他の猫がトイレを使えなくなるケースもあります。

<健康的要因>

トイレトラブルの原因が病気であることも少なくありません。例えば、泌尿器系の疾患(膀胱炎や尿路結石)があると、頻繁に排尿したくなったり、トイレに行くのを痛みのせいで避けたりすることがあります。

また、便秘や下痢などの消化器系の問題があると、排泄時の違和感や痛みからトイレを嫌がるようになることもあります。こうした症状が見られた場合は、放置せずに動物病院に相談することが大切です。

犬や猫の尿トラブル、泌尿器疾患についてはこちらから
犬や猫の膀胱炎についてはこちらから

 

理想的な猫のトイレ環境の整え方

猫が快適にトイレを使える環境を整えることは、トイレ問題を防ぐために非常に重要です。理想的なトイレ環境を作るためのポイントは以下の通りです。

<トイレの数>

トイレの数は「猫の数+1個」が基本です。例えば、2匹飼っている場合は3つのトイレを用意するのが理想的です。これにより、縄張り争いによるストレスを軽減できます。

<設置場所>

トイレは家の中の静かで落ち着ける場所に配置しましょう。人通りの多い場所や、食事スペースの近くには置かないようにしてください。

<トイレのサイズと種類>

トイレのサイズは、猫の体長(鼻先から尻尾の付け根まで)の1.5倍程度が理想です。小さすぎると窮屈に感じてしまい、排泄を嫌がる原因になります。

また、蓋付きのトイレは臭いがこもるため、一部の猫は嫌がることがあります。猫の様子を見ながら、最適な形状を選ぶことが大切です。

<トイレの清潔さと交換頻度>

猫は非常に清潔好きな動物なので、トイレが汚れていると使わなくなることがあります。排泄後はこまめに掃除し、トイレ自体も年に1回程度交換するのが理想です。プラスチック製のトイレは傷がつくと臭いが染みついてしまうため、定期的な買い替えをおすすめします。

 

猫砂選びのポイント〜種類別の特徴と選び方〜

猫砂には以下の種類があります。それぞれ特徴を理解し、愛猫に合ったものを選びましょう。

<鉱物系>

固まりやすく掃除が簡単です。ただし重いため、持ち運びには不向きです。

<紙系>

軽量で処理しやすいですが、飛び散りやすい傾向があります。

<木系>

自然素材で消臭力が高いものが多いです。

<おから系>

環境に優しく軽量で、水洗トイレにも流せるタイプがあります。

<シリカゲル系>

吸水性と消臭力が高いです。しかし、一部の猫は粒の感触を嫌う場合があります。

新しい砂に変える際は、いきなり全てを変更するのではなく、元の砂と混ぜながら徐々に慣らしていくとスムーズに移行できます。砂は3cm以上入れるよう心掛け、定期的に交換して清潔さを保つことが大切です。

 

トイレのしつけ方と失敗時の対応法

子猫の場合、排泄後すぐにトイレへ連れて行き、「ここでしていいんだよ」と教えることで習慣化できます。成功した際には優しく褒めてあげることが大切です。

一方で、「叱る」「罰を与える」といった対応は逆効果です。このような対応は、猫が排泄行為自体に恐怖を感じるようになり、さらにトイレ問題が悪化してしまう可能性があるため、注意しましょう。

 

トイレの問題と健康トラブルの関係

猫が突然トイレを使わなくなった場合、それは健康上のサインかもしれません。特に、以下の症状が見られた場合は自己判断せず、早めに動物病院を受診しましょう

・頻尿
・血尿
・排泄時の痛み など

岡山市・岡山市南区の「永原動物病院」では、猫の健康チェックを随時行っていますので、お気軽にご相談ください。

 

まとめ〜愛猫との快適な生活のために〜

猫のトイレ問題は、適切な環境づくりとしつけによって解決できます。しかし、健康上の問題が関係していることもあるため、異変を感じたら早めに動物病院に相談することが大切です。

岡山市・岡山市南区にお住まいの場合は「永原動物病院」でお気軽にご相談ください。当院では専門知識を持った獣医師が猫の行動や健康に関するご相談を承っております。愛猫との快適な生活を送るためにも、ぜひお気軽にご来院ください。

 

■関連する記事はこちらから
猫の尿道閉塞|症状と緊急性について完全解説

岡山県岡山市を中心に地域のホームドクターとして診療を行う
永原動物病院
当院の診療案内はこちらから
初めての方はこちらから
お電話でのお問い合わせはこちら:086-262-1837

この記事を書いた人
永原 未悠(ながはら みゆ)
  • 永原動物病院 院長
  • 永原 未悠(ながはら みゆ)

飼い主様へのインフォームドコンセントや、信頼関係を大切にしています。大事な予防も含め、疾患(病気)への治療や方針について話し合い、飼い主様と一緒に進めてまいりたいと思います。

岡山市南区の動物病院 永原動物病院 Nagahara Animal Hospital
診療時間表
  • 土曜のみ9:00~13:00の診療
  • 水曜と土曜の午後・日曜・祝日・GW・お盆・年始年末
702-8035 岡山県岡山市南区福浜町1-27
  • 各種お支払い可能
  • 現金/Paypay/各種クレジット
  • 各種お支払い可能 現金/Paypay/各種クレジット
トップへ戻る