コラム
COLUMN
犬や猫の下痢の症状と原因、治療について
2023.11.10犬・猫
下痢とは、通常よりも多く水分を含んだ状態の便のことを言います。通常の便は、水分が約70%ですが、80%以上含んでいると下痢に分類されます。
便が軟らかくても危険な症状ではないことがありますが、中には重篤な病気が隠れていることもあります。
そこで今回は、犬や猫の下痢の原因や治療方法、飼い主様が気をつけるべき点について解説します。
症状
動物の下痢は、「小腸性下痢」と「大腸性下痢」の2つに分けられます。
小腸性下痢とは、小腸の異常が原因で引き起こされる下痢で、排便の回数は増えないものの、一回に排泄される便の量が増加します。便の固さは、軟便〜水様便までさまざまです。
一方、大腸性下痢は、大腸の異常が原因で起こります。大腸性下痢の特徴は、少量の便を何度も排泄することです。便がほぼ出ないにもかかわらず、何度もトイレで踏ん張る「しぶり」という症状が見られることもあります。
便には粘液や血が混じることもあり、飼い主様を驚かせることもあるでしょう。
原因
下痢の原因はさまざまで、食べ物の急な変更、食物アレルギー、感染症、寄生虫、腸の病気、ストレスなどが考えられます。また肝臓や腎臓など、胃腸以外の臓器が原因で下痢になることもあります。
下痢の原因により危険度が変わってきますので、早めに動物病院を受診しましょう。
診断方法
軽い症状であれば、問診や身体検査で診断できることもありますが、症状によっては、さまざまな検査が必要になることもあります。特に下痢の原因は多岐に渡ることから、必要に応じて便検査や血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを行います。
治療方法
治療方法も、下痢の原因によってさまざまです。感染症や寄生虫の場合は薬の投与が行われ、アレルギーや食事の問題の場合は、食事療法を行います。
腸やその他の内臓に異常がある場合、それぞれの病気に応じた治療が行われます。
下痢の症状が続く場合、怖いのは脱水です。特に子犬や子猫、高齢の犬や猫は、脱水により急激に症状を悪化させてしまいます。脱水を防ぐためにも下痢が見られたら早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。
予防法や飼い主様が気をつけるべき点
下痢を完全に予防することは難しい問題ですが、リスクを下げるためにも、以下のようなことに気をつけましょう。
・適切な食事
ペットの体に合った食事を与え、突然の食事の変更は避けましょう。
・予防接種
定期的なワクチン接種により、感染症の予防ができます。
・健康診断
年1〜2回の健康診断を受けることで、病気の早期発見・早期治療が可能です。
まとめ
下痢の原因はさまざまであり、重症度を飼い主様が判断することは容易ではありません。ペットの様子がいつもと違うときは、早めに動物病院を受診するようにしましょう。病院に来院される際は、原因の特定をしやすくするため、新鮮な便をご持参ください。
ペットの健康を守るためにも、定期的な予防接種や健康診断を行い、病気の早期発見と早期治療を心がけましょう。
岡山県岡山市を中心に地域のホームドクターとして診療を行う
永原動物病院
この記事を書いた人
- 永原動物病院 院長
- 永原 未悠(ながはら みゆ)
飼い主様へのインフォームドコンセントや、信頼関係を大切にしています。大事な予防も含め、疾患(病気)への治療や方針について話し合い、飼い主様と一緒に進めてまいりたいと思います。
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