犬や猫の誤飲誤食とその予防について

2023.11.27犬・猫

犬や猫は、気になるものがあると口に入れてしまうことがよくあります。ものによっては中毒や腸閉塞の原因になって、命に関わることもあるため誤飲誤食には注意が必要です。

そこで今回は、愛する犬や猫の命を守るため、誤飲誤食の危険性とそれを防ぐための具体的な方法について解説します。

■目次
1.誤飲誤食の危険性
3.自宅での誤飲誤食の予防方法
4.犬の散歩中の誤飲誤食の予防方法としつけ方法
5.誤飲誤食をしてしまった際の対処方法

誤飲誤食の危険性

誤飲誤食には、以下の2つの危険性が潜んでいます。

・犬や猫にとって危険な食べ物の摂取

犬や猫は、好奇心旺盛で、何でも口に入れてしまいます。それが犬や猫の体にとって有害なものであった場合、中毒症状を起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。
人間が食べられるものでも、ペットにとっては毒となることもあるので要注意です。
代表的なものとして、チョコレートや玉ねぎ、ブドウなどが挙げられます。


・消化管閉塞

大きなものを丸呑みしてしまうと、それが胃腸に詰まってしまい、吐き気を引き起こすことがあります。消化管が完全に詰まってしまった場合、食べ物が流れなくなるため、ひどい嘔吐や脱水症状に陥ります猫では、ひも状の異物にも注意が必要です。長いひもを飲み込んでしまうと、腸がたぐり寄せられ、穴が開いてしまうこともあります。胃腸の損傷や閉塞を起こし、緊急手術が必要になることもあります

自宅での誤飲誤食の予防方法

自宅での誤飲誤食を防ぐためには、以下のようなことに注意しましょう。


・収納の徹底

ペットの手が口が届かないところにしっかりと収納しましょうゴム製品は消化できず、腸の中で詰まってしまう可能性もあります。また、胃の中で膨張するゴムもあるので要注意です。
収納の方法としては、ペットが簡単に開けることができず耐久性の高いフタ付きの収納箱を使用しましょう。高い位置に収納する際、猫は高い場所にもジャンプできるため、フタがしっかりと閉まるキャビネットを使用することが重要です。
また、子供用の安全ロックや磁石式のロックなどを取り付け、ペットが容易に扉を開けることができないようにすることもおすすめです。
ガラス製品や陶器など、割れると鋭利な破片ができる物は、落として割れることのないように、ペットが触れない場所に収納しましょう。


・安全なおもちゃの選択

ペット用のおもちゃは、大きさや素材に注意が必要です。
サイズの目安は犬や猫の口に全体が入らないものが適切です。噛み続けると破損してしまうもの、中綿が入っているものや、パーツが付属しているおもちゃは避けましょう。


・ペット専用エリアの設定

家の中でペットが自由に遊べるエリアを限定し、そこには誤飲誤食の原因となるものは置かないようにしましょう。また、ひとりで留守番をさせるときや寝るときなど、人の目が届かないときはゲージに入れて人間の生活エリアに入れないようにしておくと安全です

犬の散歩中の誤飲誤食の予防方法としつけ方法

散歩中にも、ペットは不用意にものを口にすることがあるので注意が必要です。散歩時はリードを短く持ち、ペットが何かを見つけたときは、すぐに止められるようにしましょう
日頃からしつけの1つとして「ちょうだい」というコマンドを教え、危険なものを口にしたときにすぐに取り出せるようにしましょう。ペットがおもちゃで遊んでいるときに「ちょうだい」と声をかけ、おもちゃを離したらおやつを与えてトレーニングを行うと物を渡してもらう習慣を身に付けることができます。

誤飲誤食をしてしまった際の対処方法

もしペットが何かを誤飲誤食した場合、まずは冷静に状況を確認しましょう。大きなものや食べてはいけないものを飲み込んだ場合、様子を見ずに速やかに動物病院に相談しましょう


岡山県岡山市を中心に地域のホームドクターとして診療を行う
永原動物病院

 

この記事を書いた人
永原 未悠(ながはら みゆ)
  • 永原動物病院 院長
  • 永原 未悠(ながはら みゆ)

飼い主様へのインフォームドコンセントや、信頼関係を大切にしています。大事な予防も含め、疾患(病気)への治療や方針について話し合い、飼い主様と一緒に進めてまいりたいと思います。

岡山市南区の動物病院 永原動物病院 Nagahara Animal Hospital
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