犬と猫のアレルギー性皮膚炎について|治療や予防などを徹底解説!

2024.06.05犬・猫

犬や猫も人間と同様にアレルギー性皮膚炎を発症することがあります。実は、犬や猫の皮膚疾患の中で約3割以上がアレルギーによるものとされています。

アレルギーは自然に治らないため、放置すると症状が悪化することもあります。
また、いくつかのアレルゲンが関連している場合、症状が悪化することもあるため、適切な予防と治療を行うことが重要です。

今回は、犬と猫のアレルギー性皮膚炎について原因や治療方法、予防など詳しく解説していきます。

■目次
1.アレルギー性皮膚炎とは
2.主なアレルギーの原因や種類
3.症状
4.診断方法
5.治療方法
6.予防法やご家庭での注意点
7.まとめ

アレルギー性皮膚炎とは

アレルギー性皮膚炎とは、犬や猫が花粉やダニ、家のホコリやカビ、食品に含まれている成分などのアレルゲンに反応して発症する皮膚の炎症です。

これらのアレルギーが起こると、免疫システムがそれらを危険と判断し、過剰に反応してしまいます。その結果、皮膚に炎症が起こり、かゆみを伴う症状が現れます。

主なアレルギーの原因や種類

アレルギー性皮膚炎は、特定のアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)に反応して起こる皮膚の炎症です。
この疾患は原因となるアレルゲンの種類によって、下記のような種類に分けられます。

<食物アレルギー>

食べ物の中に含まれる特定の成分に対してアレルギー反応を起こすことで発症します。

<アトピー性皮膚炎>

花粉やハウスダスト、ダニなどの環境中に存在するアレルゲンを吸入することで発症します。

<ノミアレルギー性皮膚炎(FAD)>

ノミにかまれたときに、ノミの唾液に含まれるタンパク質に対して、犬や猫が過敏反応を示すことで発症します。

<接触性アレルギー皮膚炎>

特定の物質に触れた際にアレルギー反応を発症します。これらの原因となる物質は免疫系がなにに反応するかによって異なります。
アレルギーの原因となる具体的な物質には、以下のものがあります。

シャンプーや洗剤などの薬物
花粉や特定の植物
プラスチック製の食器やおもちゃ
首輪
カーペット など

特に、既にアトピー性皮膚炎を持つ犬や猫は、接触性アレルギーを発症しやすいとされています。これは、アトピー性皮膚炎が皮膚のバリア機能の低下を引き起こすため、アレルゲンが皮膚に容易に侵入しやすくなることが原因だと考えられています。

また、アレルギー体質が形成される原因は複雑で、遺伝的な要素や生まれたばかりの時期の環境など、さまざまな要因が影響しているとされています。これらの要因がどのようにしてアレルギー体質を作り出すのかについてのメカニズムは、まだ完全には解明されていません。

症状

アレルギー性皮膚炎によって引き起こされる症状は多岐にわたりますが、主に以下のようなものがみられます。

<かゆみ>

最も一般的な症状で、患部を舐めたり、かいたりすることが多くみられます。

<赤みが出る>

炎症が起きると皮膚が赤くなり敏感になります。少し触れただけで痛みを感じることもあります。

<脱毛>

慢性的なかゆみと掻きむしることによって、脱毛が生じることがあります。

<くしゃみや鼻水>

アレルギー反応が原因で呼吸器系に影響を及ぼすことがあり、くしゃみや鼻水がみられることがあります。

<皮膚の黒ずみや肥厚>

長期間の炎症によって皮膚が黒ずんだり、厚くなったりすることがあります。

<結膜炎>

目の炎症によって、目が赤くなったり目やにが出たりします。

<外耳炎>

耳道に炎症が起きると、かゆみや痛みが起こります。

これらの症状は、皮膚のバリア機能を損なうことによって、膿皮症やマラセチア性皮膚炎など他の皮膚疾患の発生リスクも高まります。
症状は、主に目や口の周り、足先、脇、股などに現れることが多いですが、接触性アレルギー皮膚炎の場合、アレルゲンに直接触れた部位にのみに現れます。

診断方法

アレルギー性皮膚炎の診断は複雑なため、正確な原因を特定するためにはさまざまな検査が必要です。
主に以下のような検査方法をおこないます。

<血液検査>

血液中に特定のアレルゲンに対する抗体が存在するかを調べることで、どのアレルゲンに反応しているかを特定します。
また、リンパ球反応検査を行うこともあり、アレルゲンに対する免疫系の反応を詳しく分析します。

<除去食試験>

食物アレルギーを特定するために行われる検査です。
アレルゲンを含まない特定の食事を与えて、症状の変化を観察します。症状が改善された場合、その食事に含まれていない成分がアレルゲンである可能性が高いとされます。

<皮膚掻爬検査>

皮膚の一部を擦り取り、毛穴の深い部分に寄生している毛包虫を検出します。
採取したサンプルは顕微鏡で観察され、寄生虫の有無を確認します。

治療方法

アレルギー性皮膚炎の治療には、下記を行うことが重要です。

薬を使用してかゆみを抑える
適切なスキンケアを行う
アレルゲンを避ける

治療の方法は、何がアレルギーの原因であるかによって異なります。

<食物アレルギー>

アレルギーの原因となる食物を特定し、そのアレルゲンを含まないフードへ切り替えることが必要です。おやつや人間の食べ物を与えると症状が再発する可能性があるため、療法食と水のみを与えましょう。

<ノミアレルギー皮膚炎>

ノミを駆除するためにはノミ駆除薬を使用します。また、かゆみがひどい場合には、ステロイド剤を用いてかゆみを抑える治療も行います。

<アトピー性皮膚炎・接触性アレルギー皮膚炎>

アレルギーの原因となる物質を特定することができれば、その物質との接触を避けることで症状の改善が見込めます。治療には抗生剤やステロイド剤を用います。また、シャンプー療法では皮膚を清潔に保ち、炎症やかゆみを抑える効果があります。

予防法やご家庭での注意点

ご家庭でできる対策としては、アレルゲンが蓄積しないように定期的に掃除を行い、空気清浄機を使用することが推奨されます。
皮膚の免疫力を高めるためにはバランス良い食事を心がけ、皮膚の乾燥や刺激を防ぐために専門のスキンケア製品を使用することも大切です。

まとめ

アレルギー性皮膚炎は、一度発症すると完全に治ることが困難なため、犬や猫の生活の質に大きな影響を与えます。
この症状をうまくコントロールするために最も重要なのは、かゆみをどれだけ効果的に抑えることができるかです。
愛犬や愛猫の皮膚の健康を守るためにも、可能な限りの対策を積極的に行いましょう。

岡山県岡山市を中心に地域のホームドクターとして診療を行う
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この記事を書いた人
永原 未悠(ながはら みゆ)
  • 永原動物病院 院長
  • 永原 未悠(ながはら みゆ)

飼い主様へのインフォームドコンセントや、信頼関係を大切にしています。大事な予防も含め、疾患(病気)への治療や方針について話し合い、飼い主様と一緒に進めてまいりたいと思います。

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