犬や猫の室温は何度が適切?最適な室内環境と熱中症予防のコツ

2025.10.21犬・猫

「この暑さ、うちの子は大丈夫かな?」「エアコンは何度に設定すればいいんだろう…」暑くなってくると、こうしたご相談が増えてきます。

人と同じように、犬や猫にとっても暑さは大きなストレスになります。特に、室温や湿度の管理がうまくいかないと、体調を崩してしまったり、最悪の場合は命に関わる熱中症につながることもあります。

そこで今回は、犬や猫が心地よく過ごせる温度・湿度の目安から、お留守番中の室温管理、熱中症を防ぐための工夫について解説します。

■目次
1.犬にとって快適な室内温度と湿度とは?
2.猫にとって快適な室温と湿度は?
3.サーキュレーターの併用もおすすめ
4.留守番中の室温管理はどうする?
5.水分補給も大切な熱中症対策
6.手軽にできる暑さ対策アイテムと使い方
7.熱中症のサインと早めの受診の大切さ
8.まとめ

犬にとって快適な室内温度と湿度とは?

一般的に、犬が快適に過ごせる室温は24〜26℃前後、湿度は40〜60%程度が目安とされています。ただし、犬種や年齢、体格、被毛の量などによっても快適と感じる温度は異なるため、あくまでも参考値とし、その子に合った環境を見つけていくことが大切です。

なかでも注意が必要なのが、短頭種(パグ、フレンチブルドッグ、シーズーなど)です。
鼻が短く、空気の通り道(気道)が狭いため、体温を下げるために必要なパンティング(ハァハァと呼吸する行動)の効率が悪く、熱が体にこもりやすい構造をしています。

そのため、他の犬種よりも熱中症のリスクが高いとされています。短頭種が過ごす部屋は22〜24℃程度とやや低めに設定し、風通しをよくしたり、冷感マットなどを活用したりして、涼しく過ごせるように工夫しましょう。

また、子犬やシニア犬も体温調整が苦手なため、冷やしすぎ・暑すぎに注意が必要です。エアコンの設定温度だけでなく、実際の体の冷え具合も確認してあげましょう。

 

猫にとって快適な室温と湿度は?

猫が快適に感じる室温は、21〜28℃、湿度40〜60%が目安とされています。

ただし、猫は犬に比べて自分で快適な場所を見つけるのが得意な動物です。ひんやりした床、冷房の効いた部屋、毛布のある暖かいスペースなど、複数の選択肢を用意してあげることが重要です。

特に高齢の猫は、冷房で体が冷えすぎてしまうこともあるため、冷たい場所とあたたかい場所を自由に行き来できる環境を整えておきましょう。

 

サーキュレーターの併用もおすすめ

エアコンや除湿器・加湿器を使って室温や湿度を整える際には、サーキュレーターの併用がおすすめです。空気がこもらず、室内全体の温度・湿度が均一に保ちやすくなります

ただし、風が直接犬や猫に当たらないよう、風向きや設置場所には注意しましょう。間接的な風をつくることで、快適な環境を維持できます。

 

留守番中の室温管理はどうする?

夏の暑い日にお留守番をさせる時間がある場合、エアコンはつけたままで外出するのが基本です。室温が上がりすぎてしまうと、犬や猫の体に大きな負担がかかってしまいます。

また、エアコンのリモコンを床やペットの手が届く場所に置いておくと、うっかり踏んで電源を切ってしまったり、冷房が暖房に切り替わってしまったりするリスクもあります。留守にする際は、リモコンの置き場所や誤作動防止にも注意しましょう。

加えて、遮光カーテンで日差しを遮るなどの工夫もあわせて取り入れることで、室内の温度が安定しやすくなります。

 

水分補給も大切な熱中症対策

暑い時期には、こまめな水分補給も欠かせません。
室内の数カ所に清潔な飲み水を用意して、いつでも飲める状態にしておきましょう。水がぬるくなりすぎないよう、こまめに交換することも大切です。

あまり水を飲まない子には、ドライフードに水を加えたり、パウチなど水分量が多いものを活用したりして水を飲みやすいようにアレンジしてみましょう。

 

手軽にできる暑さ対策アイテムと使い方

最近では、さまざまな暑さ対策グッズが市販されています。以下のようなアイテムを上手に活用しましょう。

冷感マット・アルミプレート:寝床に敷いて体温を下げる
冷却ネックバンドやクールベスト:散歩時などに首や胴体を冷やす
凍らせたペットボトルをタオルで巻いてケージ内に置く:自宅でも簡単にできる手作りクールアイテム

いずれのグッズも、使いすぎや誤食、体の冷やしすぎによる低体温に注意が必要です。必ず飼い主の目が届く場所で、安全を確認しながら使用しましょう。

 

熱中症のサインと早めの受診の大切さ

環境管理をしていても、犬や猫が体調を崩すことはあります。以下のような症状が見られたら、すぐに動物病院にご相談ください。

<熱中症の主なサイン>

・呼吸が異常に速い・浅い
・よだれが多く出る
・ぐったりして動かない
・嘔吐や下痢がある
・歯茎が赤くなる

応急処置としては、涼しい場所に移動し、水分を与える、体を濡らしたタオルで冷やすなどが有効ですが、重症化を防ぐには何より早めの受診が重要です。

熱中症の具体的な症状や応急処置についてより詳しく知りたい方はこちら

 

まとめ

犬や猫の快適な室温や湿度は、犬種・猫種、年齢、体質によって異なるため、一律の数値にとらわれず、その子の様子をよく観察することが大切です。

「なんとなく元気がない」「息が荒い気がする」そんな小さな変化が、環境によるストレスや熱中症のサインであることもあります。

当院では、熱中症予防や室内環境の整え方についてのご相談も受け付けています。ご家庭での対策とあわせて、定期的なチェックやご相談を通して、大切な家族の健康を守っていきましょう。

 

岡山県岡山市を中心に地域のホームドクターとして診療を行う
永原動物病院
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この記事を書いた人
永原 未悠(ながはら みゆ)
  • 永原動物病院 院長
  • 永原 未悠(ながはら みゆ)

飼い主様へのインフォームドコンセントや、信頼関係を大切にしています。大事な予防も含め、疾患(病気)への治療や方針について話し合い、飼い主様と一緒に進めてまいりたいと思います。

岡山市南区の動物病院 永原動物病院 Nagahara Animal Hospital
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